年末年始の実家片付け「どこから?」帰省中にやるべき5つの手順と親への切り出し方

本記事は、神奈川県を中心に遺品整理・実家片付け・残置物撤去を行い、年間50件以上の相談・作業実績を持つ遺品整理士が、実際の現場経験をもとに解説しています。
年末年始、久しぶりに実家へ帰省して
「物、増えてない?」
「この家、この先どうするんだろう…」
そんな違和感を覚えたことはありませんか?
普段は気にならなかった実家も、帰省すると物の量、劣化、空き家の不安が一気に現実になります。
実は、遺品整理や実家の片付けが動き出すきっかけとして最も多いのが年末年始の帰省です。
この記事では、
「年末年始に実家へ帰った今、何をすべきか」
「実家の片付けはいつから始めるのが正解か」
を整理します。
なぜ年末年始の帰省が「実家の片付け」に最適なタイミングなのか

理由はとてもシンプルです。
・家族が集まる
・久しぶりに実家を「客観的に見る」
・将来の話が出やすい
普段は後回しにしている「実家どうする?」という話題も、年末年始は自然とテーブルに上がります。
重要なのは、
このタイミングで“全部片付けよう”としないことです。
年末年始は
「決断する時期」ではなく「整理する時期」だと考えてください。
【重要】年末年始は「片付ける」のではなく「整理(現状把握)」だけでいい
最初にお伝えしておきます。
年末年始に、実家の片付けや遺品整理を完璧に終わらせる必要はありません。
・捨てきれなくていい
・結論が出なくていい
・途中で止まってもいい
この時期にやるべきなのは判断の準備と現状把握です。
それだけで、年明け以降の行動が驚くほど楽になります。
帰省中にこれだけでOK!実家の片付けチェックリスト5選
① 家の方向性を家族で共有する(売却・賃貸・空き家)
最初に整理すべきは「物」ではなく家の方向性です。
決まっていなくても問題ありません。
方向性を話すだけで、「何を残すか」「何を手放すか」の基準が見えてきます。
②「残す・迷う・手放す」の3分類で基準を決める
実家の片付けで一番揉めやすいのが
「これは捨てるの?」「まだ使うかも」という判断です。
おすすめは、次の3分類です。
「迷う」を作ることで、無理な決断をせずに片付けを進められます。
③ 貴重品・重要書類の保管場所を確認する
年末年始の片付けで非常に多いトラブルが、貴重品や書類の所在不明です。
・通帳、印鑑
・権利書
・保険、年金関係
見つけたら、写真を撮って家族で共有するだけでOKです。
「どこにあるかわからない」状態をなくすことが重要です。
④ 写真や動画で「物量」を記録する
帰省中にやっておくと後が楽なのが、物量の記録です。
・各部屋の全景
・廊下、階段
・玄関、駐車スペース
これらを写真や動画で残しておくと、年明けに相談や見積もりをする際、非常にスムーズになります。
⑤ 自分たちでやる範囲と「業者に頼む範囲」を分ける
以下に当てはまる場合は、無理に自分たちだけでやらない方が結果的に楽です。
年末年始に「どこまで自分でやるか」を決めるだけでも十分前進です。
実家の片付け・遺品整理は「いつから」始めるのが正解?
よくある質問が
「実家の片付けって、いつから始めればいいんですか?」
というものです。
結論としては、
年末年始に“始めなくてもいいが、考え始めるのが正解”です。
・親が元気なうち
・相続や入院などの“イベント前”
・時間と判断力に余裕がある時
この条件が揃うのが、年末年始です。
だからこそ、毎年この時期になるとお問合せなどが増えています。
年末年始に知っておきたい「実家片付けの費用相場」
実家の片付けで多い不安が
「いくらかかるのかわからない」という点です。
費用は「物量(1立米)」と「作業人数」で変わる
費用は、
・間取り
・物量
・作業人数
によって大きく変わります。
近年は「1立米(1㎥)」という考え方で物量を把握するケースが増えています。
おおよその費用感を知りたい方は、物量目安や相場をまとめた以下の記事をあわせて確認しておくと安心です。
実際に現場では、「思っていたより1立米って少ない」などという声が非常に多く、
写真や動画で物量を把握しておくことが、見積もりのズレを防ぐ最大のポイントになります。


親が片付けを嫌がる場合は?「捨てない」切り出し方のコツ
「親が嫌がって話が進まない」
これは非常によくある悩みです。
大切なのは、無理に捨てさせないことです。
業者に相談する=全部捨てる、ではありません。
無理な処分はNG!「エステートセール」や買取の活用
エステートセールのように「捨てない選択」があることを知ってもらうだけで、話が前に進むケースも多くあります。

年末年始の実家片付けに関するよくある質問(FAQ)
- 年末年始に全部終わらせる必要はありますか?
-
ありません!現状把握と方向性整理だけで十分です。
- 相談だけでも大丈夫ですか?
-
問題ありません!費用感や進め方を知るだけでも意味があります。
- 帰省が1日しかなくても意味はありますか?
-
あります!写真・動画を撮るだけでも大きな前進です。
- 買取と処分は同時にできますか?
-
古物商許可を持つ業者であれば可能です。
(最近許可のない業者が増えています。許可を持っているか確認すると良いでしょう。)
まとめ|年末年始は無理に決めず、まずは写真を撮ることから
年末年始にやるべきことは、完璧な片付けではありません。
・方向性を話す
・基準を決める
・現状を把握する
これだけで、来年以降の実家片付け・遺品整理は確実に楽になります。
「年末年始に撮った写真を送って相談する」
「費用感だけ知る」
そんな軽い一歩からで大丈夫です。
今の状況を整理するところから始めてみてください。

